ナンシードーム雪景色花器

フランスに生まれたドーム兄弟は、1800年代後半から1900年代前半にかけてガラス工芸家として活躍しました。

兄のオーギュストと弟のアントナンは、父親が経営するガラス工場で仕事の手伝いをしながら博覧会に作品を出品し、数々の賞を受賞しました。

ドーム兄弟が育った街、ナンシーはアール・ヌーヴォーの様式が最も構成されていた芸術の街です

アールヌーヴォーのガラス工芸において、エミール・ガレとともに光彩を放ったのがドーム兄弟である。兄のオーギュスト・ドームと弟のアントナン・ドームは1878年に父とともにガラス工場を開いた。ガレなどの工芸家とも親交があり、1889年のパリ万博ではガレに学んだ被せガラスに新技法を加え人気を得て、1900年のパリ万博ではグランプリを獲得し、ガレと並ぶほほどの名声を得た。ガレ同様植物を主題にしたものや、ドーム兄弟が好んだ風景を主題としたものが多い。エナメル彩色や色ガラスの粉を用いたヴィトリフィカシオンなどドーム独特の美しさがある。オーギュストは1909年、アントナンは1930年にそれぞれ死去するが、ドームの工房は現在も続いている。